2006年06月26日

奥秩父北面「豆焼沢遡行」

奥秩父北面「豆焼沢遡行」FB   
記 福村
OB2藤本さん* 3年 L福村* 工藤* 山森N 1年山岸(初)
沢合宿参加者の経験値を上げる目的で奥秩父豆焼沢遡行ナメラ沢下降が企画された。沢面子の主力である3年安達2年塚越白浜長谷川は薮トレに招集されていて、福村・工藤・山森・山岸・藤本さんという面子構成となった。率直にいって豆焼沢は手強かった。当初は一日で通過可能だと思っていたが、隊の実力からいって全く無理な話であった。小室川谷とほぼ同レベルの沢である。ナメラ沢下降はあきらめざるを得なかった。豆焼は見事な滝をいくつも有し、木々は青々と茂り、水流は清らかだった。これらの自然美に対し、雁坂大橋に代表される人工物の異形が疎ましくもあり、興味深くもあった。全体的に踏跡は明瞭であったが、ところどころ危険箇所があった。高巻きのRFがポイントとなるだろう。我が部でも行けるレベルであり、もっと行かれてもよい沢である。丹沢に何本も行くより奥秩父北面を再開拓する方が断然おもしろい。次回は大荒川谷や、水晶谷・古札沢に行ってみたい気がする。来週の和名倉沢も楽しみである。6/23(金)曇 
天気予報好転、秩父鉄道で三峰口へ。Taxiで豆焼橋へ。木曜日までの予報では土日は雨、さすがにつぶれるだろうと思っていたが、金曜の朝に予報を見てびっくり。傘マークが消えている。午前中の授業はさぼって山の準備をする。午後の実習ではヌードデッサンだったので出席する。本郷部室から5時半頃出発。普段乗らない西武線を利用する。秩父鉄道の御花畑駅で全員集合。みな準備不足のようだったが共装忘れはないようだ。21時に三峰口から予約しておいたtaxi に乗る。5人で中型にのる。雁坂トンネルが通り、甲州と秩父を結ぶ道路はかなり整備されている。途中俗にループ橋と呼ばれる巨大な螺旋橋を通過するが、真っ暗な中、直径300mくらいの光のループが空中に浮かんでいて、不気味だった。豆焼橋まで¥7100也。橋のすぐ上に出会いの丘という恥ずかしい名前のパーキングがあり、夜は無人だがWCとテレカ専用の公衆電話があった。末端にして良いだろう。東大秩父演習林の展示施設もあった。新しい建物である。パーキングには「危ない探検隊」と称する釣り人3人組がいて、大荒川谷に行くらしい。なかなかフレンドリーな方々で、小話をする。暗くて沢への下降点がわからず若干不安であったが、遅いので寝る。22時20分就寝。
6/24(土) 曇り昼頃少し晴れ、後曇り 
豆焼沢遡行。豆焼はいい沢だ。隊の実力不足で4段19m上ビバーク適地で幕営。
<コースタイム>4:00起4:45発 5:00沢床下りる_6:20ホチの滝下_ 9:201180m左から枝沢でたるみ15分 _9:40トオの滝下_11:30ひらけた二俣1370mでたるみ20分+予報を聞くのに5分休止_12:3050m大滝下(写真たるみ5分)_ 13:50大滝上 _CS二条5m上でたるみ15分_16:204段19m上のサイト適地1600mで幕営_ 21:00就寝
*遡行図は奥秩父100と85年etwasのものを使用。滝など表記はどちらかのものである。この記録は85年etwasを片手に読むと良い。4時起床。眠い。沢装備をつくるが山岸がカラビナとATCを忘れるという衝撃的ミス。ATCは自分のを貸し、懸垂は半マストで行うことにする。カラビナはみんなで一つずつ貸す。出発が遅れた。沢への下降点を探るが、ワサビ沢(人口流路)の左岸の沢から少し離れたところから踏み跡がある。かなり明瞭。詳しくは下図。沢床におりるが、後方に豆焼橋の巨大構造物が見える。まだ薄暗く、水量は豊富でつめたい。岩が黒く足下が見えづらい。期待と不安の中黙々と進む。滝を2、3越えると、上方に雁坂大橋が見え、2条7mが現れる。丹沢の小滝に慣れた我々はこれをホチの滝と勘違い。左の高巻きとあったので、山森に左巻きを探させるがものすごい大巻きになりそうで、怪しい。右壁に踏み跡があり、自分が20mくらい登り滝を上方から見ると滝のすぐ左から登れそうだ。工藤に見てもらい簡単に行けそうなのでそこを通すことにする。右壁は残置トラロープがあったが無茶苦茶高度感があり恐怖そのもの。滝の直下まで行けば簡単にわかることだった。大いに反省。ここで藤本さんにトップに出るなと言われる。当然か。工藤と山森トップで行く。頑張れ工藤。滝を二つほど越えてドウカク沢が左から交わり、ホチの滝である。でかい。そしてその真上に雁坂大橋の橋脚がある。滝の美しさもさることながらこんなところによく橋をかけたものだ。奇景である。滝は左から巻くが、ざれていて高度感がある。手がかりを出しながらすすむ。はじめからリードした方が良いかもしれない。次はゴルジュが待っている。とても通過できそうにない。右の巻き道をトップに見てもらうが、踏み跡明瞭だが一部崩壊している。取り付きでTR一回、トラばりで固定FIXを張る。高度感があり、結構怖い。無事ゴルジュを抜け、時折日が指しこむ中すすむ。奥秩父の名渓と言われるだけあってなかなか楽しい。緑がきれいで水もうまい。トオの滝の少し下で一度たるむ。トオの滝下に出る。2段で幅広の滝で堂々として風格がある。出会いの丘から作業道をたどる場合はここに出る。釣り人向けの看板もあった。左の巻きを見てもらうが取り付き部分が結構後方にあり、見つけるまで時間がかかる。この巻き道は完全に道であった。滝上には小屋はない。このあとしばらくして釜を持つ滝3m3mの2段の滝があるが水流の右・左と越えられる。工藤が水流を逃げて右巻きを見るが懸垂するなどして消耗。コースタイムの読みをかなりオーバーしながら進む。豆焼は小滝もそれなりの大きさがある。丹沢の小沢とはスケールが一回り違う。奥秩父の沢を侮ってはいけない。てくてく行くと8m幅広の滝が左に現れる。左の窪から登る。山岸フリー。ひらけた二俣でたるむ。11時50分の天気予報を聞くことにしてラジオを耳にセットして出発。予報は日曜日も曇りで変わらない。沢中泊も考慮にいれて進む。50m大滝直前の3m滝で山森TRを出す。50m大滝がとうとう目の前に現れる。とても登れそうもない。気違いの人がフリーで登っている記録があるが、ありえないと思った。しかし、なんとまぁ豆焼は見事な滝がおおいことだ。左を大高巻きするが少し後方の左ルンゼをのぼり、岩頭の左を行く。踏み跡は錯綜しているが危険はない。山岸がシカのうんこを手で触る。ばっちい。この巻きで大きくタイムロス。工藤は岩頭に上の赤テープがあるところから沢に下りて偵察するが、その先の滝が登れないという。行けるのかと聞くと無理というのでもう少し高巻きを見てもらうが、降り口が不明という。記録を読むかぎり、大滝上に二つ滝があり、それを皆越えているので行けると判断し、赤テープから沢に下りる。一つ目の倒木がある2m滝は右を簡単に登る。次の5m二条CSは右巻きを工藤が見るが難しいそうだ。そこで巻きを登って上方にいる工藤からてがかりをたらしてもらいごぼうで右を登る。結構滑る。普通に右巻きを見た方が良かった。失敗。後で先を見てわかったが、大滝の高巻き道をさらに進むと幅5mと8m滝の左巻き道に出るようだ。せっかく伸びるのなら、そこまで見に行って欲しかった。偵察が中途半端であった。結論から言うと赤テープのところで沢に下りるのが無難である。5m二条CS上でたるみ。皆疲れている。ここでビバークするのも可能だが、時間があるので進む。幅5mと8m滝は左巻き小屋跡だろうか人工物が散乱している。次の4段19mはまた見事な滝だが、右の道のような踏み跡をたどる。次の4m5m滝もまとめて巻く。きっと歩いて沢に下りられるのだろうが山森が懸垂したいというので懸垂で沢に下りる。ここで暇だからラジオをいじっていたら壊してしまった。すいません。沢に下りたところでもう16時を回っていたので幕営決定。5張りは張れる。たき火がなかなかつかず寝るのが遅くなった。肉じゃがはジャガいもが少なかったので豚汁のようだった。山森がビールを歩荷してくれたので、みんなで飲む。先日Lは21歳になったということで祝ってくれた。もう誕生日とかどうでもよい年齢になってしまった。
6/25(日) 曇り 
ようやく雁坂峠到着。ナメラ沢下降をあきらめ、気分的に西沢渓谷に下りる。峠沢コースは古くからの峠道。
<コースタイム>4:00起 5:30発_ 5:5060mスダレ状下_ 6:40源頭部ゴルジュ突入_7:55 ゴルジュ終了_水汲みたるみ20分_8:40遡行終了_沢装解除たるみで25分たるむ_9:35雁坂峠着10分たるむ_途中たるみ10分一回_12:00みちの駅みとみ着
せっかく前の晩に朝飯の準備をしっかりやったのに朝飯食い終わってから遅い。飯つくる間にツェルトも回収したのに、パッキングと沢装作りに30分かかる。遅すぎる。5分ほどあるいて現れる8mナメ滝は左を越す。手がかり程度あると安心。だがフリーで通す。また5分ほどで遂に60mスダレ状と15m2段スダレ状の二俣が現れる。見事である。ビバーク適地もあり、本当は昨晩ここに泊まりたかった。60mスダレ状は下段をTRで上段はフリー。ここでも自分が手がかりでいいなどと口走り、工藤を混乱させてしまった。ごめん。全体的に連携が悪かった。普段と面子構成が違うので慣れてないのもあるだろう。その後もしばらくナメが続く。しばらくゴーロを歩くと左に沢が曲がり源頭ゴルジュに突入する。このゴルジュ入口を見た瞬間これは、今日ナメラ沢下降は難しいなと思った。ゴルジュでは3個目と最後の2条滝でTRを出した。最後の最後まで気を緩められない。結構通過に時間がかかる。ゴルジュ上でしばらくして水が伏流する。水汲みたるみをするが、ここで合議の結果今日はナメラ下降をあきらめることに決定。西沢渓谷の終バスでリミットを切るととても無理であるのとみな結構疲れている。山森はもうおなかいっぱいだと言っておならをする。臭い。忠実に沢筋をつめると道が横切る。遡行終了。しばらく道をあるいたところで沢装解除。みんなお疲れさま。豆焼はなかなかの沢であった。雁坂小屋までの道で水場があるので沢で水を汲む必要はなかった。雁坂小屋は青い屋根の小屋だった。雁坂峠までのぼりたるみ。霧がでていて展望はない。峠沢コースを下る。沢を徒渉する地点で水がくめる。このコースは古くからの峠道だったようでかなりしっかりしている。古くから甲斐国と秩父を結んでいたのがこの峠道である。峠沢は薄茶の岩スラブが時折見える。ナメラ沢の雰囲気もきっとこんな感じなのだろう。上から見ていてなかなかきれいであった。紅葉のときは殊更きれいだろう。とぼとぼ歩くと車道が出てくる。山森と今後の人生について語りながら歩く。山岸は全然授業に出てない不良らしい。ナメラ沢への下降点を確認し忘れる。大きな車道に出ると道の駅みとみというパーキングに着く。バスは手を振ると止まってくれるそうだ。猪豚ラーメンを食べて打ち上げ。ドイツとアルゼンチンがベスト8に進んだようだ。バスは¥1000で塩山。爆睡。目が覚めると塩山だった。


posted by TWV at 00:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 沢登り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
OB2藤本卓磨です。
豆焼遡行中に考えたことの備忘録。

●豆焼遡行中に指摘したこと
○シュラカバのみの就寝
・足が冷えやすいので、靴下を履いたほうがよい。

○偵察
・偵察する時間を区切ったほうがよい。
・事前の記録で行かれていないルートはあまり遠くまで偵察しないほうがよい。
・具体的な方針の話し合いは、偵察で延びているときにはしないで、皆が集まったときにするようにする。

○高巻き
・高度が高いところでは、とくにトラバース箇所では、手がかりのみでは、回収者などが危険になる。
→すぐに何かいると判断したら、トップはリードを行うようにする。

○下りのトラバース
・フィックスの回収は、なるべくリードの状態で回収するようにする。
・リードがいいが、懸垂もありうる。この場合、落ちたときに振られる可能性がある。

○手がかり
・お助けロープがないので、設置に時間がかかる場合があり、トップは危険である。
→お助けロープを、だれかもっているとよい。
・落ちたらかなり落ちる場所では、必ず、振り子トラバースなどできるようにダブルで長めに手がかりを設置するようにする。

○トップロープ
・ザイルの途中で、巻き結びをとる方法はなるべくとらないようにする。
→支点の近くで、確保するようにする。

・被確保者が落ちたときに、確保者がどのように振られるのかを予め考えるようにする。

○トップ
・企画者は前に出ないほうがよい。

●そのほか、活動全体について
○9月の沢トレ
・次期被養成者の沢トレを9月中に4日連続などで実施することを、もう考えておいてもいい。

○MAXが深いところ
・あらかじめMAXによる準則を設けないほうが私はいいと思う。MAXは目安としてのとらえ方でいいと思う。
→従来の線引きの方法では撤退するときの敗北感が強すぎ、現地の判断で、進んだほうがよい場合もありうるからである。
→現地の判断で、隊の健康状態・体力・技術や天候に関して、進んでよいと判断したときには、MAXが深くても進むという判断を行ってよいと思う。
→MAXという準則で進むことを断念させるよりも、それまでの過程で、RF・偵察などの判断がいもかったりしたら、そういう理由で断念させたほうがよい。そのほうが危険に対する説明の仕方が素直なので、行動方針が理解しやすい。
→現地での判断で、MAXの位置が動く可能性もある。

○中ア薮区間
・その前に長谷川がL権を取れない場合、薮区間だけLが指示を出すようにすればいいと思う。中アの薮区間では薮Lは2名以上いればいいと思う。

以上です。現役の皆さんは、これからが大変ですが、乗り切ってください。
 藤本卓磨

Posted by fujimoto 2004卒 at 2006年06月27日 15:59
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