2009年07月11日

奥秩父 和名倉沢

2009年度山行No.17 沢トレ企画 和名倉沢(7/11〜7/12)
企画者:大城
面子:4秋山、N山岸 3L大城、広瀬 2FH鈴木、被EW長崎 1N高梨、N`島
遡行図:東京周辺の沢

夏合宿に備えた沢トレをどこにしようかと悩んだ末出したのが和名倉だった。上越にしようかとも思ったがこの時期はまだ雪渓が多く残っている可能性もあるし、それならばGWに出そうとして(当然のごとく)潰れたこの沢をリベンジで出そうと考えたのだった。
多くの滝と釜、淵をもち東京周辺でも屈指の内容を誇る名渓と謳われる和名倉沢。おまけに自分の好きな奥秩父にあるとあっては一度は遡行しなければならない存在だった。期待と多少の不安を持って臨んだ山行だったが果たしてその結果は…

7/10(金) 
池袋19:48=(西武線)=22:07西武秩父22:07=(秩父鉄道)=22:27三峰口22:50=(丸通タクシー)=11:30大洞林道駐車場▲0
 池袋19:15分集合。秋山さんは先に現地入りしている。西武線ホームで待っていると山岸さんがツェルトを取りに駒場に戻っているとの情報が入る。事態は長崎が流したE表から広瀬のツェルトが抜けていたことと、山岸さんがツェルトをリーチし忘れていた事に起因する。まず駒場にツェルトを取りに戻っていた山岸さんに、余分なツェルトを持っていると思い込んだ広瀬が連絡を入れ、山岸さんがいったん池袋に引き返してきたのだが、その直後に広瀬のツェルトは余分でないと判明し、山岸さんが再び駒場に向かうことになったのだった。結局山岸さんは電車に間に合わなくなり西武秩父よりタクシーリカバーが決定。その際、少しでも総費用を安くするため、広瀬・鈴木・高梨は西武秩父で下車し山岸さんとタクシーで三峰口に向かうことになった。三峰口からは丸通タクシー2台で下降点付近の駐車場に向かう。運転手には目的地を地図を見せて説明したのだが大洞林道(雲取林道)終点と思い込んでいたようで、三峰観光道路のそれらしい分岐を過ぎてもひたすら林道の奥へ入っていく。流石に変だと思い確認し直した所、やはりさっきの分岐先のスペースが目的地であると判明。少し引き返して駐車スペースで下ろしてもらった。
 スペースの脇に秋山さんのツェルトを見つけ、皆もこの周りで寝ることにする。尚、タクシーが到着したとき駐車スペースには髪型がアレな人たちが屯っていて、果たして今夜無事寝られるのかという幾許かの不安が過ったが、幸いタクシーの到着とともに帰っていってくれた。日曜日の天気の保証がないため、今日は稜線か増水の危険がない源頭部まで行ってサイトする方針とする。その場合、遡行時間短縮のためERの仕事道から入渓することにしてあった。12:00頃就寝。虫が多かったのでシュラフをスッポリかぶって寝た。

7/11(土) 曇り
 ▲0 4:35―4:50大洞川吊橋―4:58和名倉沢吊橋―6:00弁天滝下6:10―7:00氷谷出合―7:20仕事道出合―7:30 900m付近7:45―8:40大滝下8:55―9:15大滝上―10:353段8m下―11:053段8m上11:20―12:403段25m下12:50―(途中水汲み&タルミ20分)―14:30稜線(北ノタル)▲1
 高梨・`島は二人ともNであるが、Nとしては初めての山行なのでトップが危険と感じたところは手がかりやTRを出す事を確認し出発。駐車スペースから大洞林道を少し引き返し、2つ目のカーブミラーがある曲がり角のガードレールの切れ間から大洞川に向かって下っていく(下降点には看板もある)。踏み跡は非常に明瞭。この時間の植林帯の中はとても暗く、まるでモノクロ写真の中を歩いているようだ。大洞川にかかる吊り橋を渡ると踏み跡は左右に分かれるが、ここは右手の和名倉沢に続く方を行く。程なく木橋に達し、左岸の作業道を辿る。ところが作業道は少し行くと不明瞭になり、杉林の中の滑りやすい斜面を半分無理やり進むようになった。伸びていた長崎によると踏み跡がまた明瞭になってきたという。しかし、地形図に書き込んだルートと比べると沢床に近すぎる。また鈴木によるとかなり手前に右側に続く明瞭なふみ跡があったらしい。これが正解ルートの可能性もあるが、若干向きがおかしくここからだと距離もあることなどから長崎ルートで行くことにした。確かに一時踏み跡は明瞭になったがまたすぐに明瞭でなくなり、もう沢床に降りてしまった方が良いと判断し、適当なところから入渓した。これだったら木橋から入渓した方がかえって早かったかもしれない。一応読みどおりいけば今日中に沢を抜けることは可能だが、適宜読み替えて無理そうなら引き返す方針にする。
 初めの滝らしい滝は、7mナメ滝。水流左をへつり気味に行くが、ややホールドに乏しいためトップは手がかりを出し、さらに巻き結びをつけて通過させる。これだと巻き結びの位置をいちいち移動する必要があるのでいっそのことTRの方が通過しやすいかもしれない。次の4mナメ滝は左壁に残置の手がかりが付いていてこれを利用して通過できる。Lは右壁から巻いたが、ホールドがほとんど無くかなり際どい体勢を強いられるのでお勧めしない。石津窪を過ぎるとすぐS字状に豪快に水を落とす弁天滝が現れる。左岸に明瞭な巻き道がありこれを利用して通過。弁天を過ぎて少し行くと沢は一旦広い穏やかな流れとなる。泊まれば気持ちよさそうなところもあったがこの位置では利用価値はないし増水には耐えられないだろう。次に出てくるのが5m滝。直登はまず無理そうで左岸から大高巻き。踏み跡明瞭で問題なし。810mで氷谷が右岸から美しいスダレ状の滝をかけて出合う。遡行図には氷谷を「通らず」と誤り易いとか書かれていたがありえないと思った。その後遡行図にはいくつか滝が書かれているがどれも小滝で問題ない。一年2人は動きが良く見ていて安心できる。やがて青テープのベタ打ちされた場所に出る。仕事道終了点と思われるが、はっきりと分かるそれは確認できなかった。この道はあまり当てにしないほうが良いかもしれない。900m付近で沢はインゼル状となり癒し系の渓相を呈す。BP数箇所。この後難関が待ちうけているはずなので心の準備をする。
 待ち構えていたように現れた「通らず」はネット記録など見ていたのですぐそれと分かった。見た目はそれほど難しくなさそう。通っている記録と巻いている記録が半々くらいで、後者の記録では途中まで右壁を行き、真ん中あたりから水流を横断し左壁に取り付くらしい。まず長崎が突入。案の定真ん中でつまる。何とか横断しようと踏み出したところで滑り台開始。ここは傾斜のあるナメで下部は釜なので問題ない。話を聞くと水流が弱くなる時と強くなるときがあり、弱いタイミングを見計らってスピーディーに左に乗り移らないといけないらしい。鈴木が左巻きを見て一年はこちらを通らせることになった。続いて通らずに突入した4年生二人は水流横断ルートを通過。Lは右壁をそのまま直登して通過した。案外簡単であった。巻きグループは鈴木が一箇所手がかりを出し、その後長崎がセットした懸垂でゴルジュ内に降り立つ。ゴルジュ内は九十九折のナメ状となっておりなかなか美しい。特に難しくはないが滑りやすいので気を抜かないようにしなければならない。ゴルジュを抜けるとすぐに大滝が現れる。50mあるかは微妙だが大量の水を落とす立派な滝である。記念撮影などしてしばしたるむ。ここまで読みの0.7倍くらいで来ている。
 大滝の巻きはセオリー通り右ルンゼから取り付く。途中で右の小尾根に乗るはずだがルンゼの左側の滝に近いほうにこれでもかというほど青テープが付いている。右の小尾根にもテープあり。トップと一年は左から行ったが、自分を含め何人かは右の小尾根に取り付いた。尾根上は踏み跡明瞭。上部で登山道状になりこれをたどれば自然に沢床におりられる。降りたところでトップたちと合流。結局労力は右も左もあまり変わらない模様。滝上の右岸に船小屋窪出合の大きな滝を見送り少し行くと、「なるほど」と思わせるBPあり。フカフカのシダが生えておりここで寝ると気持ち良さそう。次の大きな滝は3段15m。左巻きで踏み跡はやはり明瞭。そのあとしばらくは特に問題となるような滝はない。左岸に2つほど崩壊地を見てしばらく行くと、やがてゴルジュとその先の階段状の滝が見える。これが3段8m滝である。右岸にゴルジュごと巻く巻き道があるが遠目には難なく直登できそう。ところが近づくと取り付きが難しいことが分かる。へつって取り付くとしたら左側で残置もあるのだが、ホールドスタンスのほとんど無いツルツルの壁で残地スリングをつかんでも滝に取り付く一歩が難しい。思い切って泳いで取り付くことはできる。まず鈴木が残地を利用し何とか左壁から取り付いて直登し、滝上部の木にザイル手がかりをセットする(長崎は巻き)。続くメンバーも残置とザイルを使用して一人づつ通過。無謀にも残置を使わず取り付こうとしたLは水没。いったん水に入ってしまえばあとは比較的簡単に登れたが。滝上でたるみ。日が差さず寒い。
 続く3段12mは左の踏み跡から巻く。そこそこ明瞭。これを過ぎると周囲の岩が苔むしてきて、奥秩父という雰囲気が漂い始める。しばらく行って出てくる7m滝を左から巻いて越えると最後のポイントである3段25m滝が現れる。ここは右の枝沢から入って高巻けば容易に越えられる。かなりハイペースで来たこともあってかメンバーに若干疲れの色が見える。3段25m上の左岸にはあまり快適そうではないもののBPがある。山岸さんによると、ここが3年前に泊まったところらしい。沢中泊はしたいが、まだ源頭というには水量が多すぎるため引き続き遡行する。この沢は標高を上げてもなかなか水量を減じない。ガスってくる。二俣を過ぎて進んでいくとガレてきていよいよ源頭の様相を呈してくる。ここまで来るとサイト適地は無い。奥二俣付近で伏流していたので水汲み(本当の水枯れ地点はもっと上流だった)。適当なところから沢を離れ左側の斜面を登っていく。傾斜は緩め。稜線に近づくと苔むした倒木帯になってきて鹿の糞も出てきて(別に無くていいけど)これぞ奥秩父という感じ。詰め上げた地点がちょうどコル(北ノタル)で右に見える開けた場所は「笹ツ場」だろう。遡行終了2時半。予定より大幅に早く着いた。
 養成の仕上げとして2年二人にはボルトを打つ練習をさせることにしていたが、広瀬の持ってきた2本のうち一方が曲がって使い物にならない。なので今回は鈴木にのみやってもらい長崎は別の機会にさせることにする。その代わりチロリアンブリッジのやり方を教える(鈴木は知っている)。上級生がツェルトを張って下級生はサイト。ツェルトは笹ツ場のすぐ下の細長い平坦地に張った。長崎に天図を取らせるが、周波数が分からず前半10分の放送内容が聞けなかったらしく、使い物にならない代物が出来上がっていた。10時天を取らせるのもアリだが、明日はもともと二瀬尾根経由下山の予定だし長い和名倉を遡行して市ノ沢を下降する雰囲気でもないので今回10時天はいいことにする。夕飯はほうとう風鍋で美味しくボリュームもある。作って持っていった豚の角煮も好評だった。夜はいつものように焚き火を囲み宴会。やはりこれは沢ならではの楽しみである。明日は和名倉を打ち二瀬尾根経由で下山することに決め8時には就寝とする。ツェルトを3つ張ったのにオカンする者多数。Lは2、3人用ツェルトを贅沢にも一人で使用して今日の眠りについた。

7/12(日) 曇り
▲1 4:32―5:00和名倉山5:10―5:30北ノタル5:40―6:30 1600m付近6:40―7:30石津窪源頭付近7:40―8:30 800m付近8:40―9:00吊橋―9:30秩父湖バス停
 天気は薄曇りでまずまず。sub装にしようかと思ったが、一度和名倉に行ったことのある山岸さんによると空身でOKとのことなのでパッキングを済ませたザックをデポして和名倉ピストン。和名倉ピークまではずっと明瞭な踏み跡が稜線の南を巻くように続いていて赤テープもあるのだが、鈴木がピークまでショートカットしようとわざと稜線側に道を外れ全員間違った方に入ってしまう。実際にはピークはまだ先でしばらく広い稜線上を右往左往した挙句、山岸さんが稜線南の踏み跡を見つけ皆でそちらに復帰。あとは問題なく和名倉山頂に到着。情報どおり展望の全くないピークで200名山である理由がいまいち分からない。ここにテントを張っている記録もあるが、ピークの平地は狭く、その周辺は密に木が生えており張れそうにない。やはり北ノタル周辺に張るのが良いだろう。写真を撮ってさっさと引き返す。
 二瀬尾根は踏み跡というよりほとんど登山道。間違えやすそうなところには必ずといって良いほど赤テープがついているし、下手な道よりも整備されている気がする。1600m付近の笹ヤブ廊下と書かれた場所は、単に道の両側が密な笹というだけで何の問題もない。その先の泥斜面も大したことはなかったが、確かに降雨直後などは滑って気を使う所ではあると思う。水場(水はそれなりに流れていたので当てにして良いと思う)を過ぎると小屋跡を通過する。ゴミが散乱し気分が悪い。しばらく森林軌道跡の平坦地が続き、1369三角点の下から再び急な下りになる。秩父湖まで700mの標高差を一気に下ることになり日も照って暑いので少々しんどかった。最後の吊り橋はなかなか立派。5人以上同時に渡るなとの看板に従い前半と後半に分かれて通過した。あとは車道を歩いて秩父湖バス停へ。休んで反省会を終えた後、西武秩父行きのバスが来たのでこれに乗り込み西武秩父へ。仲見世通りの定食屋(メニューが少なかった)で打ち上げして解散。

・まとめ
 和名倉沢は次から次に滝が連続し、遡行距離も長いのでなかなか手応えのある沢だった。しかし、難しい滝には全て明瞭な巻き道が付いているし、技術的には中級の域を出ない。初心者を連れて行くとするとザイルを頻繁に出さなければならないので2日フルに使って何とか遡行できるといったところだろう。遡行図はこの沢に関しては「東京周辺」を使ったほうが良い。地形図との対応が比較的良いし、滝もポイントとなるものを上手く書いていて現在地が把握しやすい。
今回の沢の目的は一年がNとして沢に参加し夏合宿に備えること。加えて、本ザックで長い距離を遡行し沢中泊を行うことであった。沢中泊は出来なかったが、ツェルトは張ったし概ね目的は達成されたといって良いだろう。


posted by TWV at 00:00| 新潟 ☀| Comment(0) | 沢登り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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