作成者:塚越
OB1 木村、白濱、L塚越
TWVで沢登りを学んだ者として、いつかは絶対に行きたいと思っていたヒツゴー沢。
本当はヒツゴーを本ザックで遡り湯檜曽本谷へとつなぐ、連休をフルに活用した企画だったのだが、あいにくの天気のためヒツゴー沢日帰りとなった。
滝の表現は『関東周辺沢登りベスト50』を参考にした。
7/19(日)晴れ
秋山が体調不良のため不参加となる。Lがザイル三道具を引き継いで水上へと向かう。水上駅から谷川温泉までひたすら歩く。星がきれいである。登山道入口で寝ようと荷物を広げたら白濱がヒルを発見、パーティに戦慄が走る。少し戻ったコンクリートの上で寝る。
7/20(月)晴れのち曇り、日没後に小雨
(◎谷川温泉)5:00―6:20(ヒツゴー沢出合)6:40―(たるみ15分)―8:10(2段20m滝下)8:20―8:40(10mトイ状滝下)―(たるみ10分)―9:50(10m滝下)10:00―10:20(1350m支沢出合、雪渓)―10:50(雪渓終了)―11:10(1450m支沢出合)11:20―11:45(1600m二俣、水汲み)11:55―12:35(稜線)13:00―(たるみ10分×2回)―15:30(ヒツゴー沢出合)15:35―(たるみ10分)―17:05(◎谷川温泉)
デポして出発。最初は平坦で歩きやすい道。やがて河原に下りるようになり、運動靴だった木村白濱は沢足袋に替える。そこでヒルの被害に気づく。一匹払った瞬間に次のが飛び乗ってくるという始末である。せめてLのように沢足袋を最初から履いているのがいいのであろう。追い立てられるようにしてヒツゴー沢出合へと向かう。
ヒツゴー沢出合は伏流しているが、すぐにF1-7m滝が迎えてくれる。セオリー通り右壁を登る。基本的に名前のついている滝はガイドの通りに登ればよいのでここには書かない。
連続する小滝を、ボルダリング感覚で各々自由に越えていく。楽しい。やはり自分は沢登りの、この自由さがたまらなく好きである。
10mトイ状(だったと思う)は下部水流右→上部左壁、残置ハーケンにヌンチャクをかけて手がかりにするということをやってしまった。濡れることを嫌った白濱は右壁。高度感はあってもスタンスはしっかりしていたとのこと。
あと特筆すべきは1350m出合の先にあった、今にも崩れそうな雪渓。右の際を越えた。最初に行った白濱はピッケルにぶら下がるようにして雪渓から降りたとのこと。白濱が泥壁に刺してくれたピッケルを足がかりにして下降。この雪渓は『奥利根・谷川連峰の沢』で雪渓と書かれている場所であろう。
1600m二俣で一度水涸れ。左からの支流の方が水が流れていた。本流を忠実に辿ると、特に怖い思いもせず国境稜線に出た。木村がお疲れ気味。
ヒルが待ち構えていると思うと憂鬱だったが中ゴー尾根を下る。あまり人が入っていないのか、歩きやすいとは言えない。1450m付近の森林限界までは岩場などもあり気が抜けず、ペースも上がらない。沢足袋でよかった。
そして河原に下りるとやはりいる。ヒル。どうも谷川温泉に近い、歩きやすい部分に多いようだ。ヒグラシの鳴く中、逃げ帰る。皆1匹にはやられた。
湯テルメ谷川の温泉に入り、水上駅前のちゃこで打ち上げして帰る。たっぷり12時間行動、お疲れ様でした。
まとめ
ザイルを出していたらキリがない。我々は一度もザイルを出さなかった。ワンゲルで出すならN山行だろう。
ピッケルは持っていって良かった。やはりこの時期はまだ雪渓の対処でピッケルのお世話になることがある。
沢の楽しさが霞むほどヒルの印象が強烈だった。後味を良くする為にも、西黒尾根や天神尾根から下山するのが良いかもしれない。
しかしこれしきのヒルで参っていてはいけないのかもしれない。「林道が蠢く」ほどと言われる川内山塊の沢に行けなくなってしまう。
ザイルを貸してくれた現役のみなさん、ありがとう。